今回は竹塩の製造過程を紹介します。簡単に説明すると、韓国の西海岸の方で採取される天日塩を、3年以上育った竹の中に入れ、鉄窯で焼き上げる工程を9回繰り返します。この工程を経ることで、普通の塩とは異なる成分が含まれる塩となるのです。
今回は竹塩製造の工程と各Stepにどういった意味合いがあるのか説明していきます。改めてですが、竹塩は次の7ステップを踏んで製造されています。
①天日塩
西海岸の沿岸にある島から採れた天日塩を、窯に入れた状態で涼しい場所に保管します。
天日塩とは海水を広大な大地に引き込み、太陽と風の力だけ水分を蒸発させて塩を結晶化する製法です。自然の力を利用した天日塩は、時間をかけてゆっくり結晶化するので、通常の塩よりも粒の中にカルシウム、マグネシウムなどのミネラル成分が多く含まれることになるのです。
またこの製法により塩からにがりを取り除くことができます
②竹の準備
南海岸と智異山付近で育ち硫黄成分を多量に含まれている真竹の節を切って、塩を入れるための筒を作ります。
竹を使う理由としては竹には塩にはあまり含まれていないミネラルの成分を豊富に含んでいるからです。
塩は元々海水の中に含まれる塩化ナトリウムなので、ナトリウムというミネラル成分が豊富ですが、他のカリウムやカルシウム、リンといった成分はそこまで豊富ではありません。一方で竹にはカリウム、カルシウム、リンといったナトリウム以外のミネラル成分が含まれているのです。これが竹筒を使うのはこうした塩に不足しているミネラルを染みこませるためです。
③塩を入れた竹筒を作る
準備した竹筒の中ににがりを除いた天日塩を入れ、その口を肥やしや農薬の影響が及んでいない深い山の中から取ってきた黄土でふさぎます。黄土は砂や砂利などを取り除き、水でどろっとさせてから使用します。
④竹筒を鉄窯に入れる
塩が入った竹筒を鉄でできた窯にきちんと積み上げます。鉄側を使用するのは焼く段階で鉄の成分を塩の中に染み込ませるためです。
⑤松薪で焼く
鉄釜に松薪を入れて焼きます。この時、燃料は必ず国産の松薪のみを使用します。その理由は松の持つ骨を強くし炎症を抑える力や傷の治りを早める成分を、松薪を使用することで塩の中に沁み込ませるためです。
⑥8回焼く
ここまでの段階を踏んで焼くと、竹は焦げて灰となり、塩は白い柱へ変化します。そうしてできた塩の柱を粉に砕いて竹筒に入れて黄土でふさぎ再度焼きます。こうして焼く工程を8回繰り返します。
このプロセスにより、塩の硫黄成分と中風の新薬である竹の油、つまり竹瀝(ちくれき)が塩の中に沁み込んでいきます。また炎による加熱によって、空気中に分布していう白金成分(抗がん作用がある)が塩の中にできます。
⑦9回目の焼き
最後9回目の焼きの時には高熱に耐えられる特殊炉に、8回焼いた塩を竹筒に入れて1400度の火の中に入れます。
そうすると塩・竹・黄土・松脂は瞬く間に溶けていき、まるで溶岩のように液体となって流れ出てきます。
冷めると硬い石の塊のようになり、これを粉砕して粉にしたり粒にしたりして完成です。
冷えて固まれば竹のエキスと黄土のミネラルと鉄釜の鉄分を十分に吸収した竹塩が出来上がるのです。
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